コラム
Column
ボルトの仮締めと本締めについて
建設現場では、多くの部品を扱いますが、それらを正しく使用しなければ安全に作業することはできません。
高力ボルトも建設現場での大切な部品のひとつです。
ここでは、ボルトの仮締めと本締めについて説明します。
▼高力ボルトは正しい施工で品質を発揮する
高張力の鋼で作られた摩擦接合用高力六角ボルトやナット、座金のことを高力ボルトといいます。
強度が高く、主に橋梁や鉄骨建築物、構造物に使用されます。
高力ボルトの締め付けは、仮締めと一次締め、マーキングをして最後に本締めという工程で行われます。
ボルトは一度に強く締め付けてしまうと、鉄骨同士に遊びがなくなり、これから締める箇所にずれやゆがみが生じる可能性があるため、工程を分けます。
この4つの工程が正しく施工されることによって、高力ボルトの高い品質が遺憾なく発揮できるようになるのです。
▼仮締めについて
部材にナット、座金、ボルトの順に設置し、軽く締める作業が仮締めです。
一次締めによって部材と密着させるので、仮締めでは各部品がバラバラにならないよう固定する程度で構いません。
▼本締めについて
一次締めを行った後に、マーキングをします。
これは本締め後にナットの回転量を目視するために必要です。
本締めでは、ナットを120度回転させ、マーキングでナットのみ回っているか確認します。
このとき、マーキングが移動していると本締めが上手くできていない証拠なので、しっかり確認しましょう。
▼まとめ
高力ボルトの仮締めと本締めは、ボルトの品質を発揮し、ずれやゆがみのない仕上がりにするために必要な作業です。
単純な作業ですが、スピードと正確さが要求される、意外と難しい作業なのです。