コラム
Column
ガス溶断のコツについて
ガス溶断は、ガスを利用して被加工材を切断する方法のことをいいます。
100年以上前から採用されている鋼鉄の切断方法ですが、ガス溶断には高い技術が必要です。
ここでは、ガス溶断のコツについて説明します。
▼ガス溶断で被加工材が切断できる理由
ガス溶断は、鋼鉄の酸化と燃焼の化学反応を利用して行われます。
ガス溶断では、鋼鉄などの被加工材の切断部分があらかじめ高い温度で熱されている必要があります。
高い温度で酸化し始めた鉄は、高純度の酸素を吹き付けることで燃焼し、溶断されるのです。
▼ガス溶断の特徴
ガス溶断には以下の5つの特徴があります。
・必要な設備（機材）が少なく、費用が安い
・電気を使わない
・作業者に高い技術力が必要
・被加工材の切断に時間がかかる
・母材を熱しておく必要がある
▼ガス溶断のコツ
ガス溶断には、高い技術力が必要です。
技術のない作業者が、ガス溶断を行った場合、切断面にばらつきが見られます。
しかし、次の2つのコツを押さえることで、上手にガス溶断ができますよ。
■火力とスピードの調節
切断したい鋼鉄の厚みによって、必要な火力とスピードが変わります。
鋼鉄が厚い場合は、火力を強く、ゆっくりと切断していくようにしましょう。
反対に、切断したい鋼鉄が薄い場合、火力を弱くして素早く切断することがポイントです。
■火口を進行方向に対して傾ける
被加工材に対して火を垂直に当てるのではなく、進行方向に傾けることで、きれいに切断できます。
「パンッ」という音が鳴らずに切断できるので、試してみてください。
▼まとめ
ガス溶断は、費用が安いため、多くの鋼鉄加工で採用されています。
技術力を要する切断方法ですが、コツを掴めばきれいに切断できるようになります。